(なんだか更新しろと言われて言われるままに更新したら画像がアップロード出来なくなり、問題解決に月を跨いでしまいました)
☆ビルワの木全体

☆ビルワの樹皮

★ビルワの花と葉

★ビルワの未熟果実

☆ビルワ乾燥果実の輪切り

☆ビルワの種子

☆ビルワの乾燥根

【学名】
Aegle marmelos Corr.
【科】
ミカン科(Rutaceae)
【同義語・異名】
Bael(英名)
Bengal quince(英名)
Duraroha(ドゥラローハ):棘があるので木に登れない
Gandhagarbha(ガンダガルバ):果肉は樹脂のような香り
Gandhapatra(ガンダパトラ):葉は芳香を持つ
Goharītakī(ゴーハリータキー):獣医学臨床で腹部疾患に有用である
Golden apple(英名)
Grandhila(グランディラ):枝は結節状である
Hṛdyagandha(フルディヤガンダ):果肉は芳香がある
Kaṇṭakī(カンタキー):棘のある木
Karkaṭa(カルカタ):実は固い皮を持つ
Kucama(クチャマ):実は球状である
Mahākapittha(マハーカピッタ):実はカピタのようである
Mahāphala(マハーファラ):実は大きい
Mālūra(マールーラ):消化器疾患に有用である
Pūtimāruta(プーティマールタ):駆風薬として有用であり悪臭を緩和する
Sadāphala(サダーファラ):果実はいつも木からぶらさがって見える
Śailūṣa(シャイルーシャ):木は丘陵部に生える
Śalātu(シャラートゥ);未熟果が薬用
Śāṇḍilya(シャーンディルヤ):病気や障害から解放する
Shalya(シャルヤ):棘を持つ
Shivadruma(シヴァドゥルマ):シャンカラ神はビルワを好む
Śiveṣṭa(シヴェーシュタ):シヴァ神に捧げられる
Śrīgandhaphala(シュリーガンダファラ):果肉はある種の匂いを持つ
Śrīphala(シュリーファラ):果実は見目が良い
Tripatra(トリパトラ):三つ葉である
Trishikha(トリシカ):三つ葉を持つ
Vātasāra(ワータサーラ):駆風薬として作用し鼓腸を緩和する
ベルノキ(和名)
【ガナ/クラ(古典における分類)】
ガナ)
チャラカ: śothahara(抗浮腫薬), arśoghna(痔疾治療薬), āsthāpanopaga(煎じ液浣腸補助薬), anuvāsanopaga(油剤浣腸補助薬)
スシュルタ:Bṛhat pañcamūla, varuṇādi, ambaṣṭhādi
ミシュラカ:Bṛhat pancamūla(大五根)、daśamūla(十根)、pancapallava(五柔葉)
クラ)
śimbīkula
【ビルワの部位別ラサパンチャカ】

【スロトガーミトワ(経路・臓器・組織行性、親和性。特に作用する部位のこと)】
ドーシャ: ピッタを悪化させワータとカファを緩和する
体組織(ダートゥ):ラサ、ラクタ、メーダ、マッジャー
老廃物(マラ):尿便
臓器:消化器、生殖器(子宮)
【カルマ(作用)】
・抗炎症/抗浮腫作用(Śothahara)
・強心・心保護作用(Hṛdya)
・止血作用(Raktastambhana)
・カファドーシャを減ず(Kaphaghna)
・尿量減少作用(Mūtrālpatvakara)?
・血糖降下作用(Śarkarāhrāsaka)
・子宮内膜炎・子宮筋層炎を治す(Garbhāśayaśothahara)
・解熱作用Jvaraghna (根、葉)
・辛味のように作用する(Kaṭupouṣṭika)
・体力向上(Balya)
・神経鎮静作用(Nāditantuśamaka) (根)
・消化力向上(Dīpana )(未熟果)
・アーマ燃焼(Pācana) (未熟果)
・アーマ燃焼+消化力亢進+吸湿作用(Grāhī )(未熟果)
・緩下作用(Mṛdurecana )(完熟果)
・便秘を引き起こす(Viṣṭambhi)
・抗炎症/抗浮腫作用(Śophahara)(śothaは全身性、śophaは局所性という違いがある)
・知覚回復作用(vedanāsthāpana)
【適応(アーマイカプラヨーガ)】
内服)
浮腫(śotha)
心不全(Hṛddaurbalya)
動悸(Hṛtkampa)
多尿症候群(Prameha)
糖尿(Ikṣumeha)
淋病(Pūyameha)
精子尿症(Śukrameha)
子宮内膜炎/子宮筋層炎(Garbhāśayaśotha)
白帯下(Śvetapradara)
産褥期の病気(Sūtikāroga)
消化力低下(Agnimāndya)
下痢(Atisāra)
赤痢(Pravāhikā)
過敏性腸症候群(Grahanī)
腹部疝痛(Udaraśūla)
アーマ(Āma)
血性下痢(Raktātisāra)
細菌性赤痢(Raktapravāhikā)
切れ痔(Raktarśa)
便秘(Vibandha)
黄疸(Kāmalā)
胃腸炎(Viṣūcikā)
咳嗽(Kāsa)
呼吸困難(Śvāsa)
鼻炎(Pratiśyāya)
発熱(Jvara)
間欠熱(Viṣamajvara)
外用)
胸膜炎(Pārśvaśūla)
浮腫(Śotha)
結膜炎(Netrābhiṣyanda)
耳の病気(Karṇaroga)
難聴(Bādhirya)
耳痛(Karṇaśūla)
体の悪臭(Gātradaurgandhya)
小児麻痺(Bāla skandhograha)
痔疾(Arśā)
煎じ液浣腸補助(Āsthāpanopaga)
油剤浣腸補助(anuvāsanopaga)
【薬用部位】
根、樹皮、未熟果、果肉、葉、種、根皮
【用量・用法】
粉末:3-6g
搾り汁:10-20ml
【含有化合物】
aeglin
Aegelenine
Dictamine
Fragrine
o-methylhalfordinine
isopentenylhalfordinol
N-2[4-(3’-dimethylallyloxy) phenyl] ethyl cinnamide
N-2-hydroxy-2-[4(3’,3’-dimethylallyloxy) phenyl] ethyl cinnamide
N-2-hydroxy-(4-hydroxyphenyl) ethyl cinnamide
o-(3,4-dimethylallyl) halofordinol
N-2-ethoxy-2-(4-methoxy phenyl) ethyl cinnamide
N-2-methoxy-2-[4(3’,3dimethylallyloxy). phenyl] ethylcinnamide
N-2-methoxy-2-(4-methoxyphenyl)-ethylcinnamide
Marmelosin
Marmesin
Imperatorin
Marmin
Alloimperatorin
Methyl ether
Xanthotoxol
Scopoletin
Scoparone
Umbelliferone
Psoralen
Marmelid
Marmenol
a7-geranyloxycoumarin[7-(2,6-dihydroxy-7-methoxy-7-methyl-3-Octaenyloxy) coumarins]
galactose
arabinose
uronic acid
L-rhamanose
Palmitic acid (seed oil)
Stearic acid (seed oil)
Oleic acid (seed oil)
Linoleic acid (seed oil)
Linolenic acid (seed oil)
Tannin
Ascorbic acid
Sitosterol
Crude fibers
α-amyrin
Carotenoids
Crude proteins
Psoralen
Xanthotoxin scopoletin
Praealtin D
Trans-cinnamic acid
4-methoxy benzoic acid
Betulunic acid
Montanin
【使用例(āmayikaprayoga)】
内服)
・下痢に対して
ⅰ)ピッパリーを蜂蜜またはバターミルクと一緒にチトラカかビルワの柔らかい実と摂ると良い
ⅱ)ビルワの柔らかい実を液状のヤシ糖と蜂蜜とごま油と一緒に摂ると血性下痢に良い
ⅲ)ビルワの果肉と甘草を砂糖、蜂蜜と混ぜて米の研ぎ汁で飲むとピッタとラクタによる下痢に良い
ⅳ)ビルワとヤシ糖を摂ると血性下痢、アーマによる痛み、便秘を和らげる
ⅴ)ビルワとマンゴーの種の煎じ液に蜂蜜と砂糖を混ぜたものは嘔吐下痢に良い
・痔疾に対して
ⅰ)ビルワの果肉の粉末、乾姜、アジョワン、チトラカの根の粉末を等量ずつ混ぜた3gをバターミルクと1日2回飲むと切れ痔に良い。局所をオイルマッサージしてからビルワの温かい煎じ液か温かいバターミルクで座浴すると良い。
ⅱ)バターミルクにビルワとカピッタ又は乾姜と岩塩又はバッラータカ又はヤワニと一緒に飲むと良い
・赤痢に対してはビルワの柔らかい実と等量の胡麻ペースト、酸っぱいヨーグルトの上澄み層とギーから作られたカダ(Khada, 混合飲料のこと)を飲むと良い
・嘔気と嘔吐に対して
ⅰ)ビルワとグトゥーチーの煎じ液を冷やして蜂蜜かムールヴァーを加えて米の研ぎ汁と一緒に飲むと良い
ⅱ)ビルワと乾姜の煎じ液は嘔吐と胃腸炎に良い
・黄疸に対してはビルワの葉の搾り汁にトリカトゥを混ぜて飲むと良い
・ワータ性、詰まりによる場合、心疾患に伴う腹部疾患(ウダラローガ)に対してはビルワのクシャーラを混ぜたごま油を投与すると良い
・柔らかいビルワの実のペーストを乾姜粉末とヤシ糖を混ぜたものを摂らせて食事にはバターミルクを飲ませると重度の過敏性腸症候群にも効く
・ビルワの葉の搾り汁を黒胡椒と混ぜたものは便秘・痔・黄疸に続発する浮腫に良い
・ひまの根または柔らかいビルワの実と一緒に煮て作られた薬用牛乳は発熱に良い
外用)
・耳痛と難聴に対してはビルワの根から作られたオイルをぬるく温めて耳孔に注ぐと良い
・リウマチ性の痛みに対してビルワの葉のペーストを貼ると良い
・ビルワの葉のペーストをバターと混ぜたものを骨折部位に貼ると骨癒合を促進する
【処方例・主な適応】
ビルワーディクワータ(Bilvādi kvātha):発熱を伴う下痢、浮腫
ビルワーディクシーラ(Bilvādi kṣīra)・血性下痢
ビルワーディグルタ(Bilvādi ghṛta)・過敏性腸症候群、消化力低下
ビルワーディチュールナ(Bilvādi cūrṇa)・下痢
ビルワタイラ(Bilva taila)・耳痛、難聴、耳鳴
ビルワーディグティカ(Bilvādi guṭika)・赤痢、不消化
ビルワーワレーハ(Bilvāvaleha)・下痢
【注意・禁忌】
特になし
【1行まとめ】
主に下部消化器と呼吸器に用いられる抗浮腫、抗炎症なパンチャムーラ、ダシャムーラの一員で難聴特効
【臨床小話】
ダシャムーラ(十根)の一員です。内服としては主に消化器、特に下したり消化力が低下した病態に良く使われますが、外用として特筆すべきなのがビルワタイラです。実質、感音性難聴には打つ手がない西洋医学や漢方と違って堂々と「難聴」「耳鳴」を適応としていますので、耳鼻科の先生方が日本でも使ってくださると良いのに、と思います。鼓膜穿孔がないことが前提ですが、自分でも泥縄のように検診前2週間くらい点耳したところ聴力検査の結果が前の年より良くなりました。高齢者のかなりひどくなってからの難聴だと難しいかもしれないので、そうなる前に初老期からまめに点耳すると聴力をキープ出来るのではないかと思います。若い人でもイヤホンで高音量の音楽を聞き続けた感音難聴なんかは試す価値があると思います。
