4) アシュワガンダー(Aśvagandhā)(温甘)

★全体

★花と実と葉

★乾燥根

【学名】
Withania Somnifera Dunal

【科】

ナス科(Solanaceae)

【同義語・異名】
aśvagandhā(アシュワガンダー):根は馬の尿の臭いを放つ

Aśvāvarohaka(アシュワーワローハカ):馬並みの精力を増進する

Baladā(バラダー):体に強さを与える

Balya(バルヤ):体に強さを与える

Gandhapatrī(ガンダパトリー):葉は匂いを持つ

Gandhata(ガンダタ)

Gokarna(ゴーカルナ):葉は牛の耳の形に似ている

Hayāhvayā(ハヤーフワヤー):馬(haya)の全ての同義語がこの植物に使われる

Kāmarupiṇī(カーマルピニー):魅力的な色艶を増進する

Kañcukā(カンチュカー):精液を保持する

Kuṣṭhagandhinī(クシュタガンディニー):不快な臭いを持つ

Mārutataghnī(マールタタグニー):ワータの異常に有効である

Punya(プンヤ)

Pushtida(プシュティダ)

Putradā(プトラダー):男児を供する

Vājī(ワージー):根は馬の尿の臭いを放つ

Vājīkari(ワージーカリ):催淫作用を持つ

Vājīni(ワージーニ)

Vājīgandha(ワージーガンダ):馬の臭いがする

Vājīnāma(ワージーナーマ):馬の名前で有名

Vanaja(ワナジャ):野に育つ

Varadā(ワラダー):患者に祝福のように作用するもの

Vataghni(ワータグニ):悪化したワータドーシャを緩和する

Vṛṣā(ヴルシャー):馬並みの精力を増進する

Winter cherry(英名)



【ガナ/クラ(古典における分類)】
ガナ)
チャラカ: Balya(体力向上薬), Bṛmhaṇīya(筋量増加), madhuraskanda(甘味薬グループ)

ミシュラカ:Aṣṭavarga(八種生薬), Dr. Lad’s 24dravya


クラ)
kaṇṭakārikula


【ラサ(味)】
甘渋苦

【グナ(性質)】
軽油

【ヴィールヤ(効力)】

温性

【ヴィパーカ(消化後味)】
甘


【ドーシャへの影響】
カファワータシャーマカ (カファとワータ、二つのドーシャを緩和する)


【スロトガーミトワ(経路・臓器・組織行性、親和性。特に作用する部位のこと)】
ドーシャ: ワータ、カファ
体組織(ダートゥ):シュクラ、マーンサ、メーダ、マッジャー

老廃物(マラ):尿
臓器):生殖器(両性とも)


【カルマ(作用)】

・若返り作用(rasāyana)

・体力向上(Balya)

・筋量増加(Bṛmhaṇa)

・向知性作用(nāḍibalya)

・鎮静作用(mastiṣkaśāmaka)

・消化力向上(dīpana)

・緩下作用(anulomana)

・知覚回復作用(vedanāsthāpana)

・心保護・強心作用(hṛdya)

・血液浄化作用(raktaśodhaka)

・抗浮腫・炎症作用(śothahara)

・呼吸困難を治す(śvāsahara)

・悪化ワータ除去作用(vātahara)

・カファを緩和する(kaphaghna)

・難治性皮膚病を治す(kuṣṭhaghna)

・止痒作用(kaṇḍūghna)

・抗寄生虫作用(kṛmighna)

・利尿作用(mūtrala)

・強精作用(vājīkaraṇa)

・子宮内膜炎・子宮筋層炎を治す(garbhāśayaśothahara)

・受胎促進・抗催奇形性・安胎作用(prajāsthāpana)



【適応(アーマイカプラヨーガ)】
内服)

失神(Mūrcha)

眩暈(Bhrama)

疼痛(Vedanā)

神経衰弱(Nāḍīdaurbalya)

甲状腺腫(Galagaṇḍa)

(進行した結核などによる)消耗性疾患(kṣaya)

消耗した小児(Balaśoṣa)

腹部疾患(Udaravikāra)

腹痛(Śūlata)

便秘(Visṭambha)

浮腫/炎症(Śotha)

血液性疾患(Raktavikāra)

白斑症(Śvitra)

難治性皮膚疾患(Kuṣṭha)

膿瘍(Granthi)

咳嗽(Kāsa)

呼吸困難(Śvāsa)

尿閉(Mūtrāghāta)

精子減少症(Śukradaurbalya)

白帯下(Śvatapradara)

不妊(vandhyātva)

インポテンツ(Klaibya)

外傷(Vraṇa)

靭帯の病気(Snayukaroga)

中毒(Viṣa)

外用)

浮腫/炎症(Śotha)

疼痛(vedanā)

ワータ性疾患(vātavyādhi)

るい痩(kārśya)



【薬用部位】
根


【用量・用法】
粉末: 3〜6g


【含有化合物】
ashwagandhine

Cuscohygrine

Anahygrine

Tropine

Ergostane-type steroidal lactones

Withaferin A

Withanolides A-Y

Withasomniferin A

Withasomidienone

Withasomniferols A-C

Withanone

Sitoindoside Ⅶ-Ⅹ


【使用例(āmayikaprayoga)】
・消耗性疾患、消耗した小児などに対して粉末を氷砂糖、長胡椒、蜂蜜、ギーと混ぜて与えるか、粉末を牛乳で煮て与える

・根の粉末を喘息、腰痛、関節炎、リウマチ性疾患、女性不妊、インポテンツ、精巣疾患、内外痔疾に用いる

・果実を尿閉に与える

・根を他の生薬と組み合わせて蛇咬傷や蠍咬傷に用いる

・インポテンツに対して小さじ1杯の粉末を牛乳と共に1日3回与えると精子形成を促進し男性生殖器の緊張と強さを増す

・不眠に対し小さじ1杯の粉末をひとつまみのナツメグ粉末と共にグラス1杯の牛乳で寝る1時間前に飲むと睡眠を誘導し翌日に活力を与える

・消耗もしくは疲労による筋力低下に対して小さじ半分のアシュワガンダを小さじ1杯のギーとハチミツと一緒に1日2回摂ると良い

・乳汁分泌不全に対して小さじ半分のアシュワガンダと同量の甘草を200ccの牛乳と共に1日2回、食前に飲むと良い

・シラミ感染や癰(よう)や(梅毒の)硬性下疳に葉のペーストを塗る

・褥瘡や外傷に、葉をギーまたはごま油で煮て作った軟膏を塗っても良い

・葉を腫瘍や結核性リンパ節腫脹に貼る


【処方例・主な適応】

アシュワガンダーディヤーリシュタ(Aśvagandhādyariṣṭa):失神、てんかん

アシュワガンダラサーヤナ(Aśvagandha rasāyana):消耗性疾患に対して若返り薬として

アシュワガンダーディヤグルタ(Aśvagandhādya ghṛta):ワータ性疾患

アシュワガンダタイラ(Aśvagandha taila):ワータ性疾患、消耗、出血性疾患

バラーシュワガンダディタイラ(Balāśvagandhadhi taila):ワータ性疾患、全身灼熱感

アシュワガンダーディチュールナ(Aśvagandhādi cūrṇa):貧血、消耗性疾患、痔疾

アシュワガンダディレーパ(Aśvagandhadhi lepa):外傷、炎症

アシュワガンダーディクワータ(Aśvagandhādi kvātha):結核


【注意・禁忌】
傾眠、昏睡、重度中毒、著しくピッタが高い状態、バルビツレート系薬剤を摂取している場合は禁忌

【1行まとめ】

元気を出し神経筋疾患にも良い若返り+ワージーカラナ(強精法)の主役


【臨床小話】

わたし自身は熱性のピッタ体質なのでヴィールヤが熱性のこのハーブはなるべく飲まないようにしていたのですが、2回目の中退後の気分の落ち込み、意欲減退、だるさに対して、生薬としてはこのアシュワガンダーが一番よく効いたように思います。

うつ病などの精神病の症状の一つに精力減退がありますけれども、それにも効くと思います。催淫、強精作用両方ともありますし。あとは認知症や統合失調症なんかで、カファが多いタイプ、ぼーっとしたり無気力だったり、「動かない」系、陰性症状の強い人にはかなり良い効果を示すのではないかと思います。ただ、男性の認知症の人に使う場合は性欲だけ亢進しないように注意は必要ですね。下手に性的逸脱行動に結び付いたら大変なので。

 あとコロナ騒動で緊急帰国、日本の自宅で自粛生活をしていたときにこの薬を飲みながら室内ウォーカーを使ってウォーキングをしていたら、やたらと足腰に筋肉がついてズボンがピッチピチになりました。

ブルンハナ、筋肉量増大効果。を身を持って思い知ったことでした。ボディビルダーさんや、故障で筋肉量が減少したスポーツ選手のリハビリ、手っ取り早く筋肉を付けたいスポーツ選手なんかに使っても良さそうですね。

 あと褥瘡治療に、葉が手に入ればギーで煮て外用に出来たら数千年のエビデンスがあるのでイソジンシュガーより治療成績が良い可能性があると思います。ギーが入ると量産は難しいかもしれませんが。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次