アーユルヴェーダの健康的な春の過ごし方

今年はちゃんと立春前に間に合いました。ルトゥチャルヤ(季節の養生法)シリーズ最終回は春です。早いですね。もう

1ヶ月終わっちゃいましたね。

春のための季節のルーチン

バガヴァッド・ギーター(クリシュナ神とアルジュナ王子との対話形式で書かれたヒンズー教の聖典の一つ)の11章ではクリシュナ神が自身の卓越した特性について述べています。そこでクリシュナ神は「私は身体の中では魂であり感覚器官の中では心であり鳥類の中ではガルーダ(ヴィシュヌ神の乗り物である炎の神鳥)であり動物の中では(百獣の王の)ライオンである。全樹木の中では菩提樹、季節の中では春である。」と言っています。

 季節の王は春です。この季節に母なる大地は目覚め、ウダーナワーユ(ワータの5種類あるサブクラスの中で上方に向かうもの)が発芽と成長を引き起こします。春は穏やかで湿っていて色彩に溢れ殊に青々しいです。春は成長の時であり新たな技能を試す時であり新しいライフスタイルを開始する時でもあります。概して人々は冬から浮上しやる気に溢れており、木々で囀る鳥の鳴き声を聞き、春の美しい花々が開花するのを見ながら庭いじりをするには良い時です。

 春の暖かさとで冬から積もった雪が溶け始めるため、大気にはカファが優勢です。同様に、蓄積した、または澱んだカファドーシャが液化し、身体から出ていき始めるとそれが春の風邪の原因となります。そのような場合、春になる前にパンチャカルマ(浄化療法)を行うのが良いでしょう。カファを除く特別な治療とはスネハナ(油性化)とスウェダナ(発汗法)に続けて行うワマナ(吐法)です。

 春は花々がその花粉と芳香を発し、ほとんどのワータ体質の人とピッタ体質の人々の目を楽しませ喜びに満ちさせます。しかし多くのカファ体質の人や、カファが蓄積した人々は春に花粉症やアレルギーを引き起こします。パンチャカルマ(浄化療法)やドゥーマナ(薬用煙吸引のこと)はこれらの症状に役立ち、バラ、クローブ、シナモンの粗い粉末の等量混合物を用いると良いです。これらは温めながらカファドーシャを緩和するハーブです。お湯に蜂蜜を入れたものか、カップ1杯のお湯に茶匙1杯ずつのウコンと食塩を入れたお湯でするガンドゥーシャ(口中に薬用オイルやハーブティーや煎じ液などの液体を溜めたまま動かさず唾液とその液で口中が満ちるまでそのままにすること)を行っても良いです。これらの方法は喉の領域のカファを緩和します。

 ナスヤ(点鼻法)は鼻、副鼻腔、頭部からカファを取り除く第一のパンチャカルマ(浄化療法)です。ワチャー(菖蒲の根)の粉末や、ワチャーから作られた薬用オイルを等量のごま油で希釈したものや1%のワチャーのエッセンシャルオイルを希釈したものを使います。鼻腔の浄化に室温の等張食塩水を用いても良いです。

 乾姜、黒胡椒、長胡椒(ヒハツ)の等量混合物から成るものをトリカトゥ(三辛)と言いますが、これはカファを取り除き、消化力を増し、毒素を取り除くのに良いです。クミン、コリアンダー、フェンネルのハーブティーも有用で、これらのハーブは穏やかな利尿作用があるため毒素を除くのに役立ちます。シトパラーディ、プナルナワー、スダルシャンはその他のハーブ剤でこの季節によくカファドーシャを調節するのに用いられます。ヘナ、琥珀(アンバー)、ユーカリのエッセンシャルオイルまたはお香も余剰のカファドーシャを取り除くのに役立ちます。

 全体としては春はカファ体質の人かカファの不均衡がある個人以外にとっては概して健康的な季節です。ピッタ体質の人々は春の前半は楽しめるでしょうが後半は彼らにとって暑いことでしょう。一方、ワータ体質の人たちは春という季節全てを健やかに楽しく過ごせるでしょう。もし春になる前に余剰のカファを取り除けていればアレルギー、花粉症にかかり風邪を引く頻度を最小にすることが出来ます。この過程で食事は非常に大事です。

春の食事

春の食養法としては消化の重いもの(肉、魚)や脂っこい食べ物(揚げ物)を避け酸味・甘味・塩味のこの3種類の味覚は全てカファを悪化させるのでこれらの味のものは最低限しか食べないようにすべきです。肉や肉製品は避けるべきですが少量のギーは(油っこいですが)この例外です。赤身の肉とマグロは徹底的に避けるべきです。シーフード、カニ、エビ、鴨肉でさえカファを悪化させるので(春に摂取するのは)推奨されていません。もし動物の肉や他の種類の魚を食べるなら、鹿肉や鶏肉や七面鳥や卵を食べるほうが上述の(カファを悪化させる)食べ物を食べるよりマシです。穀類で避けるべきは小麦、玄米、白米(バスマティライス、細長いタイ米のようなタイプはこの例外)、ほとんどのパスタ、精白された小麦粉、白パン、ウラドダル(ケツルアヅキ。別名黒緑豆)です。また、アボカド、バナナ、ココナッツ、デーツ、メロン、きゅうり、かぼちゃ、さつまいも、スカッシュ(翻訳はこれも「かぼちゃ」なんですが、日本のかぼちゃと違って冬瓜のような楕円形をしていたり甘味が強く小さめのものを指すようです)、これらは全てカファを悪化させます。

 苦味、辛味、渋味を持つ食べ物をもっと食べるべきです。豆類、例えば半分に割った乾燥えんどう豆、赤レンズ豆、ひよこ豆、いんげん豆と大豆製品はカファドーシャを鎮めるのに良いです。春に良い穀類は、アマランサス、大麦、蕎麦、とうもろこし、雑穀、オート麦、キヌア、ライ麦とタピオカです。最も良い果物はりんご、杏、ベリー類、さくらんぼ、黒ぶどう、マンゴー、桃、梨、柘榴と黒干しブドウのようなドライフルーツです。

殊にカファに良い野菜はアーティチョーク、アスパラガス、ビート、ブロッコリー、にんじん、レタス、オクラ、大根、ほうれん草と緑の葉もの野菜全てです。玉ねぎとニンニクは適量の温めるスパイス(黒胡椒など)と一緒に用いるなら使うことができます。

 カップ1杯の新鮮なラッシーで食事を締めくくると良いです。ラッシーは新鮮なヨーグルトを4倍量の水で薄め、乾姜ひとつまみを入れて作る飲み物です。生姜とシナモン茶に蜂蜜を入れるのも春にカファを緩和するには良い飲み物です。非加熱の生蜂蜜と少量のモラセス(糖蜜)はカファドーシャを調整するのに非常に有用ですが、その他全ての甘味はカファを悪化させることを覚えておいてください。アーユルヴェーダでは蜂蜜は決して加熱してはならないと言っています。というのは加熱した蜂蜜は微小な経路を詰まらせ、体に対し毒として働くからです。白湯を少し冷ましてから茶匙1杯の非加熱の蜂蜜を入れた飲み物はカファを調整し、毒を追い出すのに良いです。

 一年のうちこの時期はいつもより食べる量を少なくすると良いです。そうするとアグニ(消化力)は過剰な負担をかけられずに済みます。消化の軽いものを、1日2、3回摂ると良いです。リンゴジュースかザクロジュースかベリー類のジュース(だけを飲むような)で断食するのも良いでしょう。冷たい飲み物やアイスクリームは避けてください。そして消化を良くするために、少量のアーユルヴェーダのワインである「アーサワ」と呼ばれるものを摂ってください。よく用いられるアーサワの例としてはドラークシャーサワ(ブドウジュースにスパイスを加えて発酵させたもの)とピッパリーアーサワがあります。ピッパリーアーサワにはピッパリー(=長胡椒=ヒハツ)が含まれます。アーサワは食事ごとに茶匙4杯を同量の水で薄めて飲みます。もしアーユルヴェーダの薬用酒であるこうしたアーサワが手に入らない場合は茶匙4杯ほどの白か赤のワインを夕食の間啜って飲むことでもカファドーシャを緩和させることが出来ます。

 アーユルヴェーダでは昼寝はカファを増やし消化を遅らせる可能性があるので春に昼寝はすべきではないと言っています。世界の一部の地域では晩春は暑いことがあり(訳注:インドなんかまさに日本の晩春相当の5月が一番暑い「夏」です)、そうなると人々は涼しい部屋やオフィスで過ごしたがります。しかし春におけるエアコンの使用は必要最低限にすべきです。と言うのは排出されていない蓄積したカファドーシャが悪化する恐れがあるからです(訳注:とはいえ現代インドの5月でで冷房を使わなかったら熱中症と不眠症に漏れなくなれると思います!著者のラッド先生にせよ5月は大抵インドより涼しいアメリカで過ごされています!!!なのでまあ、「必要以上に冷やすな」と覚えておけば良いでしょう)。また、暑い気候でない限り水泳を始めるのもお勧めできません。海、川、あるいは湖で泳ぐことは真夏の暑さの中で行われるのがベストです。

 春にはより早く起きて、歯を磨き舌を擦ったら散歩に出ることがお勧めです。それからごま油かひまわり油でオイルマッサージを行い、温かいシャワーを浴びてからニームの石鹸で体を洗います。この後カファを減らすヨーガのポーズを取ります。例えば太陽礼拝のポーズ、舟のポーズ、弓のポーズ、橋のポーズ、バッタのポーズ、ライオンのポーズ、ラクダのポーズ、コブラのポーズ、牛のポーズ、猫のポーズ、半ねじり(半魚王)のポーズです(大雑把に言って反る系のヨーガのポーズはカファを下げるのに良く、前屈系はワータを下げるのに良く、ねじり系はピッタを下げるのに良いです)。これらは経験を積んだヨーガ教師の指導の元行うべきです。何故ならアーサナは好き勝手に行うと体を傷つける恐れがあるからです。

 ヨーガが終わったらプラーナーヤーマ(呼吸法)を続けて行い、それから瞑想をします。瞑想はどの季節であっても強く勧めます。

 春はカファの季節なので、潜在的に脂肪組織が過多になる季節ということです。それゆえに運動を活発に行うと役立ちます。ジョギング、跳躍、ハイキング、競歩、軽い筋トレは全て余剰なカファを燃やすのに良いです。消化力を増し、カファドーシャを下げるのに役立つ薬草はチトラカ、クタキ、プナルナワー、シラージットやトリカトゥのような混合物です。これらの薬草は1年のこの時期、ことにカファ体質の人に適しています。

春のための養生法のまとめ

・カファを緩和する食べ物を食べる

・第一に苦いか辛いか渋い食べ物を食べる

・消化の軽い、容易に消化される食事を摂る

・甘味料として少量の蜂蜜を用いる

・週に1度断食する。占星術的には月曜日か木曜日が望ましい。厳密に言えば、他の季節は断食は推奨されない。

・温性で体を綺麗にする、ジンジャー、シナモン、カルダモン、クローブといったハーブティーを飲む。

・カファ体質の人は真夜中まで夜更かしすると良い

・ヨーガと瞑想と呼吸法を行う

・暖かく乾いた状態を保つ

・ドゥーマナと呼ばれるハーブ混合喫煙を行う。カモミール、バラの花びら、シナモンのようなハーブが良い。

・ワチャーオイルを使ったプラティマルシャナスヤ(オイル点鼻)を毎日行うこと

春に避けるべきこと

・カファを悪化させる食べ物を避ける

・過量の甘い、酸っぱい、しょっぱい食べ物を避ける

・脂っこい食べ物、揚げ物を避ける

・全ての消化のおもい(消化に時間がかかる)食べ物を避ける

・朝ごはんを大量に食べたり、朝に消化の重いものを食べることを避ける

・ドライフルーツを除いて食間に間食することを避ける

・冷たいか氷入りの飲み物を避ける

・昼寝を避ける

・土砂、埃、花粉への曝露を避ける

・冷たい隙間風、ことにエアコンからのものは避ける

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