
(梅雨が明けちゃうタイミングで公開出来て良かった!ひまし油点眼とココナツウォーターの部分だけ少し追記しました)
関東は空梅雨っぽくてろくに雨が降らなくて既に暑くなっている異常気象ですが皆様如何お過ごしでしょうか。
今回はアーユルヴェーダの季節の過ごし方(ルトゥチャルヤと言います)のうち、夏の過ごし方のご紹介です。
(ん10年ぶりに休日出勤しないといけないぽいので今月の更新はすみませんがこれが最後になります。)
☆健康に夏を乗り切る方法・要約☆
◇ピッタを減らす食事をする
◇冷性のハーブティーを飲む。クミン、コリアンダー、フェンネルが該当。
◇冷性で消化の良い食べ物を食べる。ムング豆のおじや、野菜サラダなど。
◇甘いもの渋いもの苦いものを食べるようにする
◇夜は23時までに寝て朝は早く起きる
◇ヨーガ、プラーナーヤーマ、瞑想を行う
◇ギラギラ太陽が照っている時に外出するならサングラスと帽子を忘れない。
◇オイルマッサージはココナッツオイルかひまわり油で行う
◇アムラでヴィレチャナ(瀉下療法)を行う
★夏に避けるべきこと★
◆赤身の肉を避ける
◆その他のピッタを悪化させる食材を避ける
◆とても辛い、酸っぱい、塩っぱい食べ物を避ける
◆食事を抜いたり断食はしない
◆冷やされた、冷たい飲み物と熱い飲み物は両方避ける(常温、室温がベスト)
◆アルコール他熱を生み出すものを避ける
◆深刻な話や議論は避ける
◆お昼近くに日光を浴びるのは避ける(ピッタが悪化する時間帯だからです)
◆性行為をし過ぎない(運動の一種です)
□夏の健康的な一日の例
・5時に起きてニームまたはビルワの粉(にハッカ油かミントの精油を加えても良い)で歯磨きをする
・純銀製またはステンレスのタングスクレーパーで舌磨きをする(銀はピッタを下げる金属なので銀製が理想的です)
・常温のココナッツオイルを口に含み、口内でもごもごオイルを動かすオイルうがい、カワラを行う
・オイルをぺっと吐き出したら人差し指で歯肉を優しくマッサージする
・常温の水で口をすすいで余分なオイルを取り除いたら常温の水をコップ1杯飲む
・運動をするならランニングやジョギングよりはウォーキングかサイクリングかヨーガエクササイズにする
・ピッタを下げるアーサナは
舟のポーズ
弓のポーズ
橋のポーズ
ラクダのポーズ
コブラのポーズ
牛の顔のポーズ
魚のポーズ
ヤシの木のポーズ
(日本人の日本語の動画はなかなかコレというのがなかったのでこれだけ英語ですみません)
です。これらは肝臓と小腸から余剰のピッタドーシャを追い出してくれるのでほぼ全ての人に(夏に行うには)良いです。
ただ、ヨーガが身体に良いとはいえピッタ体質の人ないしピッタドーシャが悪化している人は夏に肩立ちや倒立のポーズはすべきではありません。というのはこれらのポーズは悪化したピッタドーシャが多すぎる血液を甲状腺や胸腺、眼と脳に運ぶ可能性があるからです。
月礼拝のポーズを繰り返し行うのも良いでしょう。太陽礼拝のポーズより体を涼しくする効果があり、肝臓、小腸、眼、血液といったピッタの主座となる臓器に働きかけるからです。
・シータリープラーナーヤーマ
はことに涼しくする作用があるので夏季に行うのに適しています。
やり方:舌を突き出し、舌両端を持ち上げて舌全体がチューブ状になるようにします。その丸まった、チューブ状の舌の内腔を通るように息を吸い込み、吸い込んだ吸気が消化管内にいるピッタドーシャを冷ますように少しの間保持します。それからゆっくりと鼻腔から息を吐き出します。呼気をチューブ状に丸めた舌から出すのはよくありません。そうするとエネルギーを浪費することになってしまいます。
・夏にはシャワーを浴びる前にヨーガとプラーナーヤーマを行うとシャワー後も涼しくなります。
・ヨーガやその他の運動のあと、アーユルヴェーダではココナッツオイルかひまわり油を身体に塗るように勧めています
・オイルの量は100〜200mlですが(これは高温多湿な日本に住む、欧米人より小柄な日本人には多すぎる量だと思います!30〜80mlくらいでしょうか)、体格や肌の乾燥具合や髪の長さ、髪にも塗るかどうかによって異なります。これを全身に(髪の毛も含めて)優しくマッサージしながら塗ります(日本では油ギッシュなのは嫌われますしね)
・ココナツオイルはことに皮膚を滑らかにし、冷まし、落ち着かせてくれます。皮膚にいるピッタドーシャを冷まし、汗腺を通じて皮膚に浸透し、どんな日焼けや蕁麻疹、発疹、湿疹も和らげてくれます。
・オイルマッサージ後、快適なぬるま湯のシャワーを浴び、余剰の油をニーム石鹸かサンダルウッド石鹸で落とします。これらの石鹸は汗腺や脂腺内にオイルを留め、(余剰の)ピッタドーシャを和らげるように働きます(なければこれらのハーブパウダーか、それもなければ普通の石鹸で良いと思います)。
・夏に長時間熱いシャワーを浴びるのは避けましょう。この行為は強くピッタを悪化させるからです。
・シャワー後、清潔な乾いたタオルで全身を拭き取り、サンダルウッドオイルを頭頂部を含めた7箇所のチャクラの部位に塗ります。

・7箇所のチャクラの部位は熱に対して敏感なのでこうしてサンダルウッドオイルをチャクラに塗ることでチャクラを涼しくすることができます。
・動脈が波打っている部位(橈骨動脈、内頸動脈など)にも塗ると心臓の拍動と共に香りがあなたのオーラ領域に広がり、オーラを涼しくします。
・ベチバーとジャスミンも夏にサンダルウッドの代わりにこうしてオーラや動脈に塗るのに良いです。好みの香りのものを選びましょう(精油は1週間連続で使うと効果が落ちるので、理想的には2種類選んで1週間交代で塗ると良いでしょう)。
「アーユルヴェーダとアロマテラピー」によるとラッド先生お勧めのジャスミン、サンダルウッド、ベチバー以外では
イランイラン
クラリセージ
シダーウッド
シトロネラ
ゼラニウム
タンジェリン
ネロリ
バーチ
パチュリ
パルマローザ
プチグレイン
マンダリン
ライム
レモンバーム
レモングラス
レモン
ラベンダー
が冷性の精油です。お財布や自分の嗅覚と相談して心地よいと感じる香りを選びましょう(1週間交代で使うためにできれば2種類)。
・次に綺麗な服を着ますが理想的にはオーガニックコットンか絹でできた、白色ないし淡い色のものがピッタを緩和します。綿と絹は軽くて夏涼しく冬暖かい素材です。加えて皮膚呼吸を助けます。
下着は皮膚には白がベストです。アーユルヴェーダでは夏には濃い色や派手な色や明るい色、例えば赤、オレンジ、濃い黄色のような服は着るべきではないと教えています。何故ならこれらの色は太陽のエネルギーを吸収して更なる熱を生み出し、「熱い鋭い貫通」といった性質を助長することで(同じ性質の)ピッタを悪化させるからです。
・一方で白、灰色、青、紫、緑は冷やす色です。洋服は肌にぴったりとくっつくのではなく、むしろゆとりがあって空気が通り皮膚呼吸が出来るようなものにするべきです。
・もしもあなたが暑い国に住んでいるなら(アラブとかインドとか日本で言うなら沖縄とか?)、半ズボンや半袖シャツは着るべきではありません。というのは(半袖に覆われていない)露出した部位の皮膚が日焼けをするからです。そのかわりに緩めの長袖シャツとだぼっとした長ズボンかスカートを皮膚を守るために着るべきです。
・夏に適した服を着たら神に祈るか瞑想をします。空腹時に1日1、2回の静かで空のボウル瞑想かソーハム瞑想のような穏やかな瞑想が適しています。夏はいかなる方法によっても何かを活動的に行うのに適した季節ではありません。
◇空のボウル瞑想の仕方◇
ゆったりと静かに座り、手のひらを上にして開き、空のボウルのように膝の上に置く。口を少し開け、舌を口の天井、前歯の後ろに触れる。呼吸に注意を払う。肺に力を入れずに呼吸をさせる。呼吸は意識の対象である。ただ呼吸の動きを見る。呼吸の動きを見ているとき、鼻先に注意を向ける。鼻に入る空気の感触を意識する。冷たい空気が入り、温かい空気が出てくる。このように静かに座って呼吸を観察すること、約5分間。
5分経ったら、呼吸を追いかける。鼻、のど、心臓、横隔膜、おへその後ろのお腹の奥深くまで、空気と一緒に入っていく。そして息を吐きながら、横隔膜の奥の腹、心臓、喉、鼻、そして鼻の手前約9センチまで体外へ出て、2回目の停止を体験する。
第一の停止点はヘソの後ろ、第二の停止点は体外の空間である。この2つのストップで呼吸は止まる。この2つの停止で、時間は止まる。呼吸の動きは時間である。この2つの停止では、存在だけが存在する。この2つの停止では、あなたは平和と愛に包まれている。この2つの停止では、神が存在する。これらの停止において、あなたは空のボウルのようになる。空の器のようになった瞬間、神の唇があなたに触れることができる。神はあなたを求め、あなたに祝福を注ぐだろう。肺を呼吸させ、あなたは空の椀になる。この瞑想を朝と夕方に15分間実践してください。この瞑想を実践するうちに、数日、数週間、数カ月と、停止している時間が自然に長くなり、最終的には内と外が第3の目で融合し、すべてが自分の中で起こるようになる。

◇ソーハム瞑想の仕方◇
鼻の穴から9センチ離れたところから息を吸い込み、吸い込みながら精神的に「ソ…ー」と言う。
その『ソー』が内側、脳の中心、体の中心に入っていき、そして止まるので、意識を『ソー』に向ける。
ほんの一瞬そこにとどまり、息を吐き出す段階を通して「ハムハム」と感じながら息を吐き出す。体から息を吐き出すと、ハムは宇宙空間に溶けていく。
この2つの停止、ソーとハム、そのギャップの中に、純粋な意識のキャンバスがある。そのキャンバスに、あなたの人生のすべてが描かれている。そのキャンバスと一緒にいれば、自分の存在の純粋な本質を感じることができる。あなたの存在は神であり、あなたの存在は現実であり、あなたの存在は神聖な愛である。ただそこにいなさい。この練習によって、ソーハムは内なる美、内なる喜び、内なる真実を解き放つだろう。
この練習が深まるにつれて、隙間に注意を払うというこの術を広げていってください。歩いている間は、隙間に根を下ろして歩こう。食べ物を食べているときも、隙間にいる。人生のあらゆる活動は、周辺部や円周部で起こっている。しかし、あなたは心の隙間に深く根ざしている。あなたの人生全体がドラマとなり、劇となり、あなたはそのドラマを見守るだけの存在となる。すべての瞬間が、平和、愛、喜びの瞬間なのだ。
So’ham :: “a “の発音は、catの “a “ではなく、aboutの “a “である。

□夏に適した食べ物
・ギーはピッタを下げる食物で夏には有用です。苦いギー(ニームを含むたくさんの苦味生薬と共に作られたギーでサンスクリット語ではティクタグルタtikta ghṛtaと言います)はことに熱を冷まします。
アーユルヴェーダの文献には夏の朝、空腹時に茶匙半分ほどの苦いギーを飲むと消化力を向上させてピッタドーシャをコントロール出来ると言っています。
・ピッタドーシャは午前10時か11時頃から素早く集まるので仕事前に少量の朝食を摂ることは理にかなっています。朝食を食べることでピッタは午前の最後のほうにそう簡単には悪化しなくなります。オートミール、大麦のスープ、小麦のクリームと牛乳またはギーなどが良い(朝食の)例です。もし朝食としてフルーツを食べたいなら穀物と混ぜてはいけません(フルーツグラノローラは良くないということですね)。夏に良い果物とはリンゴ、梨、メロン、デーツ、プラム、プルーンです。これら全ては冷却作用があって胃を鎮めてくれます。多くの果物は1時間以内に消化されるのでもしあなたのピッタドーシャが強い場合はあなたは正午までに再度空腹になるこを覚えておかないといけません(なので果物だけの朝食はあまり推奨されません)。
・昼食はあまり遅くなるのは良くなくて正午前後が最も良い
・アーユルヴェーダでは夏の間は昼食後に短時間の昼寝をするのは構わないと言っています
・夏の間は氷入りの冷たい水や白湯は飲んではいけません。室温の水が最上です。冷蔵庫で冷やされたあるいは氷入りの冷たい水は胃粘膜の透過性を減じると共に消化酵素の分泌を阻害するので消化力が低下するからです。
・消化力の低下はアーマ(毒素)の発生に繋がります。冷えた水を大量に飲んだ場合は舌はしばしば舌苔に覆われますがこれはアーマ(毒素)が胃または小腸を覆っていることを示唆します。
・氷は歯肉の血管を収縮させ、それは口に打撃を与え歯肉が後退する元になります。
・昼食や夕食に良いものとしてはバスマティライスと緑豆によるお粥が挙げられます。コリアンダーや少量の擦り下ろしココナッツやギー少々と食べても良いです。
・夏は夕食を遅くに食べてはいけません。午後6時から7時の間がベストですが必ず日暮れ前でないといけません。アーユルヴェーダの文献は熱性なので夏に鳥のもも肉を食べるのは良くないと言っています。牛肉、羊肉、豚肉はカロリーが豊富なのでこれらも凄まじい量の熱量を体内に生み出します(ので夏の夕食にはふさわしくない)。
・一方で鶏、七面鳥、エビなどの薄い色の肉は比較的少なめの熱量を産む肉です(注:鶏肉は基本熱性と思っていたほうが良いです。七面鳥とエビは鶏肉よりはマシということなのでしょう)。もしピッタが非常に高いせいで体が弱っているとしたらそういった人はピッタドーシャを治療し、肉を避けないと病状を悪化させるだけになります。
・夏あるいはどの季節であってもピッタが非常に悪化している人は酸っぱい果物(オレンジやみかんのようなたいていの柑橘類が該当します)、ビートルート、生の人参、ニンニク、玉ねぎ、赤唐辛子、トマト、サワークリーム、チーズは避けるべきです。辛い調味料(黒胡椒、ハバネロ、ラー油、ワサビ、辛子)も同様に避けるべきです。長めの断食も夏においてはピッタを悪化させるので避けるべきですが週に一日くらいなら(出来れば火曜日か日曜日が望ましいです)ピッタは然程悪化しないので大丈夫です。多くのピッタ体質の人は夏の断食に耐えられません。というのは夏にピッタの人が断食をすると低血糖を起こすからです。
・夏に最も良い食事はきゅうり、レタス、もやし、蒸したアスパラガスにブロッコリー、バスマティライス、赤レンズ豆または緑豆のスープ、茶匙1杯のギーを乗せたさつまいもです(注:きゅうりは「体を水浸しにする」という性質があるので夏に旬のきゅうりを食べるのはすぐ汗をかくので問題になりませんが他の季節に水毒体質の人(スギ花粉症やむくみがある人)が食べると水毒が悪化するので夏以外は食べないほうが無難です)。夏にはもっとサラダを食べて大丈夫ですが夕食よりは昼食に摂ったほうが無難です。というのはサラダは消化の火を冷やす性質があるので夕暮れ時〜日没のワータが悪化する時間にサラダを食べると(ワータが悪化して)お腹にガスが溜まる可能性があるからです。
・要は夏には甘く苦く渋いものをもっと摂取すべきです。これらの三味は全てピッタドーシャを下げてくれるからです。
□冷静であること
・夏には水分が蒸発して大地が乾くように体のカファが汗の形で蒸発します。人々は倦怠感やエネルギーが湧いてこない感じを訴え、夏バテだよ、というかもしれませんがこれはピッタが過剰である徴候です。
ピッタ体質の人やたくさん黒子がある人は夏に日光浴や長時間の直射日光曝露をしてはいけません。なぜからこういった行為は皮膚癌のようなピッタ過剰の病態を作り出すからです。直射日光下で激しい労働をすることもまたピッタドーシャを悪化させるので暑い夏の間は避けるべきです。
・非常に暑い気候の時には木陰や屋内で働くほうがマシですがあなたの家や職場に暑い日中に稼働する何かしらの冷却システムを導入することが望ましいです(まあ普通にクーラーつけなさいってことです)。
・庭で働きたいのなら早朝か晩に行うべきです。火やオーブンの近くで長時間働くこともピッタを悪化させるので嘔気・嘔吐・胃もたれ(といったピッタ悪化による症状)を引き起こします。最も重症になると血性下痢を来すこともあります。よって夏には人々は早朝と日が暮れてから調理すべきです。
・あなたが屋外で働くのなら淡い色でつばが広くてあなたの首や肩を覆う帽子を被ると良いです。脳血流は熱で傷つきやすいので長時間の直射日光への曝露は熱中症を引き起こします。帽子を被る前にサンダルウッドかベチバーのエッセンシャルオイルを1滴、頭頂部の頭皮に塗ってから帽子を被ると良いでしょう。
https://item.rakuten.co.jp/etoile-life/ar-prm-p-187
・日光がギラギラしていたらサングラスをかけるのも良いです。サングラスはくすんだ灰色か茶色か緑色であるべきです。赤や黄色のレンズはピッタを悪化させるので禁忌です。
・一方で青や紫のサングラスは決して付けてはいけません。青と紫はピッタを鎮静する色ですがこれらの色のサングラスは日光の紫外線を惹きつけ、網膜と水晶体にダメージを与え白内障を引き起こすからです。サングラスの常用は視力を下げるのでサングラスは夏の、しかも日が高い時間の使用にとどめるべきです。日中につけるならピンホールサングラスが良いです。ピンホールサングラスは視力を増強し、瞳孔を開くからです。
・目を休める簡単な方法;
両目を閉じて両手のひらを合わせて擦ります。そうすると皮膚に静電気が生じます。ゆっくりとあなたの手を両目に持っていき、手のひらであなたの目をやさしく触れます。手のひらをまぶたの上に羽毛のように最小の圧で優しく乗せます。2分間行うとあなたの目は休まるでしょう。
・統計学的に夏は犯罪率が高まり暴動も1年の中で夏に最も起きます。これは夏が火のエレメントの季節であり火のエレメントはイラつきと怒りに導くことがあるからです。
・人々は赤信号で止まるわずかな間でさえ何の理由もなく怒鳴り合います。よって夏の暑い時期、ことにピッタがもっとも強まる正午前後には重要な話題について論議すべきではありません。もし重要な決定をしたいなら涼しい早朝か晩に行うべきです。理想的には重大な決定を行うような会議は冬か春に計画すべきです。
・喫煙者は夏はタバコの本数を減らすべきです。なぜならタバコはピッタを悪化させるからです。もしタバコを吸いたいならアーユルヴェーダの文献では蓮やバラの花びら、カモミール、ジャターマーンシー、サンダルウッド、マンジシュターの煙を吸いなさいと言っています(どれも冷性の植物です)。
・夏に赤ワイン、ウイスキー、ブランデー、ラムは飲むべきではありません。これらはピッタを悪化させるからです。もしアルコールを飲みたいなら少量のビールにするべきです。少量のビールは腎臓を冷やすからです。苦いアーユルヴェーダの薬用酒、例えばドラークシャー、クマーリーアーサワ(ドラークシャーは黒干し葡萄、クマーリーはアロエヴェラ)とチャンダナーサワ(白檀のワイン)をほどほどに飲むのは構いません。茶匙4杯に同量の水を加えて飲むといった具合です。炭酸水はピッタとカファの人には良いですがワータの人には良くありません(気泡を含む=空元素から成るワータを悪化させるため)。
・ピッタを鎮静するにはサンダルウッドのビーズで出来たネックレスをするか、中央に真珠がセットされた赤珊瑚のネックレスを身につけると良いです(真珠も赤珊瑚も冷性の宝飾品なので)。アメジスト、ムーンストーン、マラカイトや銀のアクセサリーも良いです。これらはピッタを鎮静します。ものすごく暑いなと感じたら水泳をすべきです(アメリカと違って自宅にプールがある人は稀でしょうから水風呂か水シャワーで良いかと)。
・鎮静し冷却してくれる夏の飲み物としてはすりおろしたきゅうり半分に半カップの室温の牛乳を加え、茶匙1杯の氷砂糖とカルダモンひとつまみを入れたものが良いでしょう。朝にこの飲み物を飲むと一日涼しく幸せです。
・日中喉が乾いたらコップ1杯の水に茶匙2杯のライムの搾り汁と茶匙半分の氷砂糖を加えたものを飲むと良いでしょう。この代わりにラッシーを飲んでも良いです。ラッシーは新鮮なヨーグルト1に対して倍量の常温の水を加え、茶匙1杯の砂糖か氷砂糖を加え、さらにひとつまみの炒ったクミンパウダーとコリアンダーパウダーまたは岩塩を加えます。これも鎮静して冷却してくれます。
・ピッタを夏の夜に月光で冷却するには、サンダルウッドオイルを体に塗って白い服を着て白い花を髪に飾るか白い花輪を首にかけて散歩に出ると良いです
・牛乳をまず沸騰させて冷えてから氷砂糖と(食用の)ローズウォーターと2、3粒の湯通ししたアーモンドを砕いて入れます。このミルクを眠前に飲むとピッタを鎮静し、オージャス(アーユルヴェーダでは免疫に近しい概念としています。まあ、生命力+免疫力とでも思っていただければ。)を増し、熟眠出来ます。
・この調理ミルクを月光の下、海辺や小川の近くで美しいフルートの音楽を聴きながら飲めれば最上です。
・夏の晩に深刻な話題について話してはいけません。その代わりに月や海や花々についてなど、ロマンチックなおとぎ話をするべきです(月も海も花も原則冷性です。つまり寝る前にカッカするような話題を出すな、心地よい話題にしなさい、という訳です)。
・毎晩眠前に茶匙半分のアムラ(アーマラキー)
https://jp.iherb.com/pr/organic-traditions-amla-berry-powder-7-oz-200-g/106049
を蓄積したピッタドーシャを排泄するために飲むのを忘れてはいけません。(アムラを含む)トリファラーはわずかに熱性であるのに対しアムラ単剤なら冷性だから夏にはアムラ単剤のほうが適しています。アムラは少なくとも夕食後30分してから飲むべきで、そして上述の眠前に飲む調理ミルクを飲むのに2時間かそれ以上開けるべきです
(つまり19時に夕食を食べて23時に就寝する人は19時半過ぎにアムラを飲み、21時半から22時半の間に調理ミルクを飲むように、という意味です。これは果物とミルクを同時に摂ると毒素を生み出し有害であるというアーユルヴェーダの食べ合わせの知恵に由来しています)。
・もし私たちがアーユルヴェーダ式の暮らしに本当に従えば、私たちの人間関係は絶対的に疑いの余地がなくなります。人間関係のほとんどの問題点は誤解、誤った思い込み、コミュニケーションの欠如、誤った判断、他人の言うことに耳を貸さないこと、批判、怒りによるものです。そしてこれらは全てピッタドーシャの異常によって引き起こされるのです。ピッタを鎮静することは夏の間良い人間関係を保ち、健康でいるための礎なのです。ピッタを鎮静するには、いつも「そうね」と言ってくれる友達を持ち、いつも「そうじゃない」「違う」と言って批判する人は誰でも遠ざけることです。
・夏なら23時頃まで起きていても許容範囲内です。一晩中涼しくいるために、ベッドに入る前にココナッツオイルを頭皮と足の裏に塗り忘れてはいけません。ベッドシーツを汚さないように軽い靴下と古い帽子を被るのを忘れないようにしましょう。この代わりに足底にひまし油を擦り込み、1滴のひまし油を両目に寝る前に点眼すると目に良く灼熱感を冷やしてくれます。右下にして寝るとあなたの月の呼吸サイクルが活性化し、あなたの体は冷却されます(これは原文そのままなんですけど、ひまし油って熱性なんですよね。ワータとカファを下げるには良いのですがピッタは悪化させます。ラッド先生がひまし油とギーを間違えて記載したのでは疑惑がありますので、ひまし油の点眼はしないほうがわたし個人は良いと思います!!!)
・アーユルヴェーダの文献には夏の間はあまり性行為をすべきではないと書かれています。イチャつくだけなら良いのですが性行為の頻度は冬よりも少なめにすべきです。というのは性行為は体を熱してピッタドーシャを悪化させるからです。夏に性行為をするなら21時から22時の間、つまり夜のピッタ時間が始まる前にするのが良いでしょう。そして夕食と性行為は最低でも3時間開けるべきです。23時までにあなたは右下にして寝ます。あなたの配偶者も同様にするので(向き合っていないので)おしゃべりはありません。ベッド上にジャスミンかバラの花を置き、枕にサンダルウッドオイルを2、3滴垂らします。もしあなたがそうしたいなら睡眠を助けるのに穏やかな打ち寄せる波の音がする音楽や美しいフルートの音楽を聞いても良いです。
・これらは夏を健康に過ごす方法の概要ですが、ワータやカファの異常がないことが前提です。真夏とはいえど雷の日も大雨の日も蒸し暑い曇りの日も、日によって天候は異なるのでこの夏の健康法も運用には柔軟であるべきです。夏でも寒い日なら少量のカイエンヌペッパーや何か辛いものを食べても大丈夫です。しかしながら非常にピッタを悪化させるハーブやスパイス(赤唐辛子、ニンニクなど)は概して夏には摂るべきではありません。夏に食べるべきではないスパイスとハーブには生姜、黒胡椒、トリカトゥ、チトラカ、ほとんどの形のグッグル製剤も含まれます。夏にピッタを鎮静する最上のハーブはシャターヴァリー、グドゥーチー、ニーム、カーマドゥーダ、アーマラキーなどです。
如何でしたでしょうか。
納涼会だー!
なんて言って焼き鳥や鳥の唐揚げを食べながら赤ワインを飲んだり「夏バテを防ぐために精をつけなきゃ」とニンニクたっぷりの焼き肉を食べたりすることが実は体には逆効果だということが良くお分かりいただけたかと思います。
私が肉食だったころは鶏肉が一番好きでしたので、1年中よく食べていました。ビールやワインや日本酒も無知だったので1年中、機会があると飲んでいました。そうすると秋口に差し掛かる、夏の終わりになると排水溝が隠れるくらい髪の毛がごそっと抜けるんですよね。猫も換毛期があるし。秋は人間の換毛期なのかも。とか昔はアホなことを考えていましたが若白髪も禿頭も脱毛症もピッタドーシャの悪化による病気だと知ったのは3年生で外科や頭頸科、鎖骨から上の諸病(耳鼻科+眼科+歯口腔外科+脳外な感じ)を習ってからのことです。
要するにピッタ体質のわたしがピッタが悪化する夏に自重することなくピッタを悪化させる飲食物を摂っていてピッタを悪化させたから自業自得なんですね。
周囲のザビエル禿のおじさんやおじいさんを観察してみましょう。その人、怒りっぽくありませんか?夏にビールと唐揚げをたらふく飲み食いしてたりしませんか?
ここに書いたことは沢山項目があるので、全部やろうと思うと大変です。やりやすいものをいくつか選んで実行してみて、今年の抜け毛がどうなるかご自身の体で観察してみてください。わたしは肉食を止め、夏にピッタを悪化させないよう気をつけるようになってからは抜け毛が減ったので、このアーユルヴェーダの英知である季節の過ごし方、ルトゥチャルヤの威力を思い知りました。
あとインドにいた頃真夏は平気で50度とか行っちゃうので、日本より更に1段階ギアが上な感じの暑さだったので、毎日のようにデカいココナッツを買って穴を開けてはココナッツウォーターを飲んでいました。1個で250mlか300mlくらい入ってましたね。
日本ですと沖縄とか宮崎みたいなあったかいところの観光地じゃないとココナツウォーターって飲めないので内心がっかりしていたんですが、通販で良いココナツウォーターを見つけました!!!↓
https://item.rakuten.co.jp/yuukiya0097/m-a-43398-1
インドで飲んでいたのと全く同じ味です。自然な味で美味しいです。しかも飲んだ後涼しくなるという効能もしっかりあります。お高いのだけが玉に瑕ですけど、外仕事をする前とか、汗をかきたくない日とか、ここぞというときに飲んで出かけると良いと思います。飲んで30分くらいから2、3時間は涼しい状態が続く感じです。
しかもこれはスチール缶なのでアルミ缶飲料や内側にアルミが貼ってある髪パックのようにアルミ取りすぎの心配もありません。
ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの電解質も入っていて、天然ORSな感じです。ORSと違って冷却作用もバッチリあるので熱中症予防にも良いと思います。
古典ではココナッツウォーターはnālikerodaka(ナーリケローダカ)と言う名で記載されています。チャラカ・サンヒター総論編27章には「体力を増す」と書かれていますし、スシュルタ・サンヒター総論編46章では「筋肉を増し心臓に良く泌尿生殖器を浄化する」と言っています。薬学で有名な古典のバーバプラカーシュ・ニガントゥでは「消化力と精液を増す」と書かれていますし、カイヤデーヴァ・ニガントゥには「出血性疾患、肺結核、便秘に良い」と書かれていました。ピッタ性の発熱や膀胱炎にも応用できますね。甘くて冷性でピッタを下げるのでピッタ体質の人の夏の飲み物としては最適だと思います。

参考文献)
THE TEXTBOOK OF AYURVEDA VOLUME3 by Dr. Vasant Lad P.116-122
アーユルヴェーダとアロマテラピー 古代の英知と現代医学を統合したヒーリング・テクニック ライト・ミュラー&ブライアン・ミュラー
