日本に帰国して1年と8ヶ月が過ぎました。日本語が通じる日本に居ることに安心して、インドに居た時ほど真面目にオイルマッサージなんかをやらなくなっていました。というかインドは暑くて乾燥しているのでワータの影響が強く出てしまうので、週に1回真面目にオイルマッサージしないと健康を保てないという側面もありましたが。
そのせいか、4月くらいからか?一度、右上腕の筋を違えてしまった時もインドにいたらひどくならないように連日オイルマッサージをしたと思いますが、日本で安心しきっていたのでそのまま放置してしまいました。そして治ったかな?と思って動かそうとしたり何かに驚いて不意に動かしたりするとズキズキッと痛んで。を繰り返していたらブラジャーのホックを止めたりドライヤーを使うのに右手を挙上するのもいつしか困難になっていました。肩こりに効くので個人的に大好きな、猫が伸びをするようなヨガの「猫のポーズ」なんて、痛くてとてもできたものではありません。

↑こういうの。
全然鍛えてないのに、マッチョじゃないのに、右上腕の中ほどは盛り上がって固くなっていました。いわゆる肉離れ、筋挫傷ですが、同じ場所に出来たり治ったり。を繰り返したので、多分中で血腫が固まって残ってしまってるんじゃないかな?と画像診断はしてませんけど、体感ではそう思われました。
もちろん、痛い時にはダシャムーラタイラムでオイルマッサージをしたりもしたんです。それでちょっと良くなるとすぐやめてしまって、そろそろかな?と思い切って動かしたり混雑した電車内で思わぬ揺れに遠い手すりを変な角度で掴もうとしてグキッとなったり、といった塩梅で、半端な治療を繰り返して同じ箇所に挫傷を繰り返した結果、変な有痛性の腫れ。が残る結果となったのでした。
服を着るとき、右袖を通す時とかも痛くて、地味に鬱陶しかったんですね。なので最終兵器を取り出しました。じゃじゃーーん。

マハービシャガルバタイラム先生です!!!!
わたしが最初にこの薬用オイルの存在を知ったのはヴァサント・ラッド先生のこの本です↓
マルマごとにアメリカで良く見られる病気(肥満とか偏頭痛とか癌、うつ病、認知症なんかもあります)の病理とか治療法が書いてある実践的な本です。アルバカーキのラッド先生のスクールの学生とか患者さんにも?かしら、それらの方へと出ていたメールマガジンをまとめた本ぽいです。
この中に「関節リウマチ」の項がありまして、更年期障害が関節の腫脹・変形として現れた(リウマチの採血は全部陰性でしたが)わたしとしては興味深く読んでいたんですが、外用薬で何か良いのないかな。と読んでいたら出てきたのがビシャガルバタイラで、
「(リウマチで痛む関節などの局所に)このオイルを外用として塗る。このオイルは深く浸透し、抗炎症作用があり結合組織内のアーマ(毒素)を燃やす。これにより毒素は(結合組織から剥がれて)消化管に移動し、舌に分厚い舌苔が現れる」
って書いてあったんですよね。軟骨とか靭帯とか滑膜とか、結合組織にまで入り込んだアーマを燃やして結合組織から追い出して消化管に戻してくれるぽいです。そうすると局所では腫れや痛みが減って、剥がされた毒素は舌苔となって現れます。そうなったらタングスクレーパーで除去できますし、消化管まで戻ればオイルマッサージしたりギー飲みしたりした後でパンチャカルマをすれば完全に出ていってくれますからね。
ということで、ほうほう。そんなオイルがあるのかーーー。と思ってインドから帰るときに2本だけ気まぐれに買って帰ったのでした。
そろそろ消費期限を迎えようとしているこのビシャガルバタイラ先生を人肌程度に温めてから、鎮痛といえばこれ、なウィンターグリーンのエッセンシャルオイルと筋肉痛の友なプチグレインさんを混ぜて右上腕によーーーーーく刷り込んで、ホットシャワーをしばらく当ててボロ布で拭き取るだけにして、石鹸で洗わないで一晩寝てみました。
そうしたら!!!
なんということでしょう!!!!(某ビフォーアフター風)
右上腕の、力持ちでもないのにぽっこり膨れ上がっていた古い血腫様の腫れの標高が、たった一晩で4分の1くらいになっていたんです。
ついでに。と五十肩予防で(肩は全く痛くない)肩にも塗りましたし、余ったので調子の悪い両膝にも塗ったんですが、痛くもないし、関節が軽くなっていたんです。
パンチャカルマ(浄化療法)を受けたことのある方は体感していただけたと思いますが、パンチャカルマで身体中に散らばっていた毒素がきちんと消化管に集められて排出されると、体と心が「軽く」感じるんですよね。samyak lakshana、パンチャカルマが上手くいったサインの一つにサンスクリット語ではlaghutā,ラグーターと言いますが「軽く」感じるという徴候があります。マハービシャガルバタイラを塗って寝た上腕と両膝が、起きた時から軽かったんです。膝が軽いのなんて久しぶりだったので、その場で踊り出したくなる感じでした。つまり上腕と膝に存在していた毒素が剥がれて離れた、ということですね。
いやぁ、凄まじい効き目だわーー。これだからアーユルヴェーダはやめられないね!と思って、改めてマハービシャガルバタイラを調べてみました。
ヨーガラトナーカラという、様々なアーユルヴェーダの古典から処方をピックアップして編集しなおして載せている、実践的な古典書(西洋医学に例えると今日の治療指針とかレジデントマニュアル風な本です)を調べてみたら、ワータビャーディ(ワータ性疾患。脳卒中、各種神経痛などが含まれる)の章にありました。↓

最初は原材料とか作り方が書かれています。
「このオイルはビシャガルバと言う名で(ビシャは毒、ガルバは子宮とか結びつけるもの、という意味なので毒と結びつくオイル?の意???)、全てのワータ性疾患を治する。胸部、大腿、側腹部、下腿におけるワータ性疾患に良く、骨折を繋げ脱臼を復すのに優れた処方である。坐骨神経痛、マハーワータ(重篤なワータ性疾患)、全身の凝り、破傷風、耳鳴り、知覚鈍麻といった疾患もあたかも森でライオンに出会った途端大きな(鹿などの)動物がすっ飛んで逃げるようにすぐに治る。馬、象、人や他の四つ足動物の骨折はこのオイルを塗ると疑う余地なく塗った途端にくっつく。」
こういう、古典に出てくる文章って「100歳以上生きる」とか「100歳まで病気知らずになる」とかわりと大袈裟だなぁ、って思ってましたが古典にも「百獣の王・ライオン(というかインドにライオンおるんか?)に出会った森の動物がバピュッと即行で逃げるように即効性がある」って書かれてたんですね。うん、今回は大袈裟じゃなかった。エッセンシャルオイルも2種類入れたとはいえ、ここまで劇的に効くとは!!!
というわけで嬉しくなって更に買い足しました。今回頼んだのは個人輸入代行のいっちゃさん。
商品にはなかったんですけど、写真添付して頼んだら大丈夫でした。元値からするとかなり割高ですが、それでもインドまで往復の渡航費用とか宿泊費、時間とお金を使って自分で買いに行くことを考えたら安上がりですからね。
BSDT大学のあるマハーラーシュトラ州はインド第二の都市・ムンバイを抱えているせいか結構輸入もうるさくなってしまったんです。2010年頃はいっちゃさんのあるゴア州みたいに普通に欲しいなーと思ったものを注文しては代行業者さんが送ってくれていたんですが、ある頃から商品のレシート付けてないとだめ、と言われ、また更に後になると医薬品の場合はアーユルヴェーダドクターの処方箋がないとだめ、とか、かなり煩雑になっちゃったんですよね。マハーラーシュトラ州の知り合いに頼んでも良いのですが、アーユルヴェーダドクターに処方箋書いてもらう手間とか診察料とか考えると現時点ではいっちゃさんのほうがeasyです。
動物の骨折にも良いなら獣医さんにも使って欲しいですよね。競走馬とかは骨折したら馬刺しコースですけど、試してみて欲しいなーと思いました。
追記1)
岩塩とか入ってるだけあって結構熱性が強いです。痛いところは良くなりましたがその後しばらくピッタ悪化の症状に悩まされたので、ピッタ体質かピッタ過剰状態にある人はアーユルヴェーダドクターに相談してから使うようにしたほうが良いと思います!
追記2)
嬉しくなってブンブン動かしていたらまたびきっときて痛み再発。もうコンクラーベすることにしました。しつこく局所アビヤンガと発汗法をして、注意深くストレッチするしかないですねー。またにゃんこのポーズができる日を目指してがんばります。