64)ラクタチャンダナ(Raktacandana)(紅木、コウキ、レッドサンダルウッド)(冷辛)

☆ラクタチャンダナ全体

☆ラクタチャンダナの葉と樹皮

☆ラクタチャンダナの実

☆ラクタチャンダナの断面

☆ラクタチャンダナの心材

【学名】
Pterocarpus santalinus Linn.

【科】

マメ科(Fabaceae)


【同義語・異名】

Arkacandana(アルカチャンダナ)

Haricandana(ハリチャンダナ)

Kṣudra candana(クシュドラチャンダナ):シュウェータチャンダナよりは効力が劣る

Kucandana(クチャンダナ)

Lohita(ローヒタ)

Pravāla phala(プラワーラファラ):ラクタチャンダナの実はプラワーラのそれに似ている

Raktasāra(ラクタサーラ):心材は赤色である

Rakutāṅga(ラクターンガ):心材は赤色である

Ranjan(ランジャン)

Red sandalwood(英名)

Red sanders(英名)

Surakta(スラクタ)

Tamrasāra(タムラサーラ):心材は銅色

Tilaparṇi(ティラパルニ):葉は胡麻のそれに似ている

紅木(コウキ)

紅木紫檀(コウキシタン)

【ガナ/クラ(古典における分類)】
ガナ)

スシュルタ:salasaradi, patoladi, sārivādi, privangadi       


クラ)
śimbīkula


【ラサ(味)】
甘苦

【グナ(性質)】
重粗

【ヴィールヤ(効力)】

冷性

【ヴィパーカ(消化後味)】



【ドーシャへの影響】
カファピッタシャーマカ


【スロトガーミトワ(経路・臓器・組織行性、親和性。特に作用する部位のこと)】

ドーシャ: カファグナ、ピッタグナ
体組織(ダートゥ):ラクタ、ラサ、シュクラ

老廃物(マラ):便

臓器:消化器、リンパ管、循環系



【カルマ(作用)】

・頭痛を治す(Śiraḥśūlahara)

・眼病を治す(Netrarogahara)

・目に良い(Cakṣuṣya)

・解熱作用(Jvaraghna)

・止嘔作用(Chardinigrahaṇa)

・止痢作用(Atisārahara)

・出血性疾患を治す(Raktapittaśāmaka)

・血液浄化作用(Raktaśodhaka)

・難治性皮膚病を治す(Kuṣṭhaghna)

・創傷治癒作用(Kṣatahara)

・抗炎症/抗浮腫作用(Śothahara)

・皮膚病を治す(Carmarogahara)

・皮膚に良い(Tvacya)

・灼熱感を治す(Dāhapraśamana)

・止渇作用(Tṛṣṇānigrahaṇa)

・催淫作用(Vṛṣya)

・解毒作用(Viṣaghna)

【適応(ローガグナタ)】
内服)

嘔吐(Chardi)

口渇(Tṛṣṇā)

下痢(Atisāra)

出血性疾患(Raktapitta)

血液疾患(Raktavikāra)

難治性皮膚病(Kuṣṭha)

灼熱感(Dāha)

発熱(Jvara)

中毒(Viṣa)

外用)

眼病(Netravikāra)

頭痛(Śiraḥśūla)

創傷(Kṣata)

浮腫(Śotha)

皮膚病(Carmaroga)

潰瘍(Vraṇa)

灼熱感(Dāha)

【薬用部位】
心材(kandasāra)


【用量・用法】
心材の粉末:3-6g

オイル:5-25滴

煎じ液:50-100ml

【使用例(āmayikaprayoga)】
・骨折に対してマンジシュタ、甘草、ラクタチャンダナの粉末と米粉とシャタドゥタグルタ(百回水で洗ったギー)を混ぜて貼ると良い

・雀斑(ビャンガ)に対してラクタチャンダナ、マンジシュタ、ロドラ、プリヤング、ワタンクラ、マスラのペーストに塗ると良い

・吃逆に対してラクタチャンダナを母乳と一緒に撞いたものを点鼻すると良い

・ピッタ性下痢に対してダールハリドラー、ドゥララバ、ビルワ、スガンディバラとラクタチャンダナの煎じ液または粉末が良い

・多尿症候群の患者はラクタチャンダナの心材で作ったコップで水を飲むと良い

・ロドラ、ウシーラ、パドマカ、ムリナール、カレーヤカ、プリヤングの花、ラクタチャンダナの粉末を牛乳と飲むか外用すると全ての種類の蜘蛛の毒に良い

【処方例・主な適応】

チャンダナーディチュールナ(Candanādi cūrṇa)・出血性疾患、下痢

チャンダナクワータ(Candana kvātha)・切れ痔、出血性疾患

チャンダナーディヤワルティ(Candanādya varti)・ティミラ(白内障/近視/視野欠損)

チャンダナーサワ(Candanāsava)・尿や精液の異常

チャンダナーディレーパ(Candanādi lepa)・雀斑

【注意・禁忌】
特に無し

【1行まとめ】

消化器リンパ管循環器に作用する冷却解毒血液浄化薬


【臨床小話】

これも白檀同様、絶滅危惧種です。B.S.D.T.大学でも薬草園から盗まれて以来、ガードマンが常駐するようになりました。ラクタチャンダナの代用品としてはウシーラを用います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次