すみません。なんだかやる気さんに家出されてました。特に体調がすごく悪いとかはないです。シェディングが厳しさを増しているので引きこもってさえいれば。土日ぐったりと疲れていてゴロゴロして終わって引きこもっている間は元気になって月曜日になって通勤電車や駅構内でシェディングを浴びて疲れて…の繰り返しでした。
★チトラカ全体

☆チトラカの葉

☆チトラカの花

☆チトラカの根

【学名】
Plumbago zeylanica Linn.
【科】
イソマツ科(Plumbaginaceae)
【亜種】
花の色によって4種類に分けられていて、植物学的には3種類の学名が付けられています。赤と白が臨床上良く用いられていて、赤のほうが効き目が強いと言われていますが稀にしか見かけません。
- Śveta(白い花)→Plumbago zeylanica Linn.
- Rakta(赤い花)→Plumbago rosea Linn.
- Nila(青い花)→Plumbago capensis Thumb.
- Pīta(黄色い花)
【同義語・異名】
アグニ(Agni):火のように熱い灼熱の熱い性質を持つ
アグニカ(Agnika):グナ(性質)とヴィールヤ(効力)において炎に類似している
アナラ(Anala):火のような熱性
アナラナーマ(Analanāmā):火の後で名付けられた
チトラカ(Citraka):心に明るさを広げるもの
チトラパリ(Citrapali)
ダーハナ(Dāhana):灼熱感をもたらす
ダールナ(Dāruṇa):鋭性の為にベーダナ(下剤作用)を持ち、それ故に蓄積した塊を引き裂く。
ディーパカ(Dīpaka):効力温性の為に消化の火を刺激する
ディーパカ(Dīpaka):効力温性の為に消化の火を刺激する
フタサナ(Hutasana):火のように熱い
Indian plumbago(英名)
ジャラナ(Jarana):食べ物の消化を促進する
ジョーティ(Jyoti):火のように熱い
クルシュナヌダハン(Kṛṣṇanudahan)
Lead wort(英名)
ニルダハナ(Nirdahana):火のように熱い
パラク(Palak)
パーティー(Pāṭhī):熱性は豹のように強い
パーティーナ(Pāṭhīna):効力熱性が非常に強力である
シャルドゥル(Shardul)
シキ(Sikhi):火のように熱い
ウーシャナ(Ūṣṇa):辛味の為に効力が熱性である
ワフニ(Vahni):火のような熱性
ヴャーラ(Vyāla):消化力向上作用(ディーパナ)が非常に強力である
White leadwort(英名)
インドマツリ(和名)
セイロンマツリ(和名)
【ガナ/クラ(古典における分類)】
ガナ)
チャラカ: dīpanīya(消化力向上薬), tṛptighna(食欲亢進とカファ排泄薬), śūlapraśamana(腹部疝痛治療薬), bhedanīya(下剤), arśoghna(痔疾治療薬), lekhanīya(減量薬), kaṭukaskandha(辛味味グループ)
スシュルタ:pippalyādi, āmalakyādi, mustādi, muṣkakādi, āragvadhādi, varuṇādi
ミシュラカ:pancakola{パンチャコーラ、長胡椒・長胡椒の根・チトラカ・乾姜・チャブヤの5種類の熱性生薬を1コーラ(=棗の実1個分≒6g)づつ当量混合したものを指す} 、 ṣaḍuṣuṇa(シャドゥシュナ、6種類の熱性生薬のことで、パンチャコーラの5種類に黒胡椒を加えたものを言う)、trimada (大量摂取したり一緒に摂取すると精神不安定を引き起こす3種の生薬グループのこと)、Dr. Lad’s 24dravya
クラ)
citrakakula
【ラサ(味)】
辛苦
【グナ(性質)】
軽粗鋭
【ヴィールヤ(効力)】
熱性
【ヴィパーカ(消化後味)】
辛
【プラヴァーワ(特異作用)】
全てのアグニを燃え立たせる
【ドーシャへの影響】
カファワータシャーマカ(カファとワータを緩和する)
ピッタワルダカ(ピッタドーシャを悪化させる)
【スロトガーミトワ(経路・臓器・組織行性、親和性。特に作用する部位のこと)】
ドーシャ: ワータカファシャーマカ、ピッタサーラ(ワータとカファを緩和し、ピッタを排出する)
体組織(ダートゥ):ラクタ、メーダ
老廃物(マラ):便
臓器: 肝臓、十二指腸、直腸、脾臓、子宮
【カルマ(作用)】
利胆作用・余剰ピッタを液性により上か下から排出する(Pittasāraka)
カファドーシャを減ず(Kaphaghna)
ラクタとピッタドーシャを悪化させる(Raktapittaprakopaka)
辛味のように作用する(Kaṭupouṣṭika)
声と喉に良い(Kaṇṭhya)
解熱作用(Jvaraghna)
消化力向上(Dīpana)
アーマ燃焼(Pācana)
痔疾を治す(Arśoghna)
アーマ燃焼+消化力亢進+吸湿作用(Grāhī)
抗浮腫作用(Śothahara)
抗寄生虫作用(Kṛmighna)
発汗作用(Svedajanana)
分娩促進作用(Garbhāśayasaṅkocaka)
堕胎作用(Garbhasrāvakara)
催淫作用(Vājīkaraṇa)
【適応(ローガグナタ)】
神経衰弱(Nāḍīdaurbalya)
慢性鼻炎(Jīrṇapratiśyāya)
発熱(Jvara)
慢性熱(Jīrṇa jvara)
間欠熱(Viṣamajvara)
発熱後の衰弱(Jvarottaradaurbalya)
消化力低下(Agnimāndya)
不消化(Ajīrṇa)
腹部疾患(Udararoga)
腹部疝痛(Śūla)
腹部腫瘤(Gulma)
痔(Arśa)
過敏性腸症候群(Grahaṇī)
肝臓病(Yakṛdvikāra)
難治性皮膚病(Kuṣṭha)
白斑(Śvitra)
皮膚病(Carmaroga)
寄生虫疾患(Kṛmiroga)
浮腫(Śotha)
無月経(Rajorodha)
後産期陣痛(Makkalaśūla)
勃起障害(Dhvajabhaṅga)
小児の病気(Prasūtivikāra)
【薬用部位】
根
根皮
【用量・用法】
粉末: 0.5-1g
煎じ液: 12-25ml
【含有化合物】
naphthoquinones
Flavonoids
Terpens
Sterols
Plumbagin(根、茎、実)
3-chloroplumbagin
3,3-biplumbagin
Binaphthoquinone
Isozeylanone(根、茎)
Zeylanone(根、茎)
Elliptinone
Droserone
Chitranone
Maritinone
Isoshionanolone
Seselin
Methoxyseselin
Suberosine
Xanthyletin
Xanthoxyletin
Sitosterol(茎、実)
Stigmasterol(茎)
Campesterol(茎)
Dihydroflavinolplumbaginol(茎)
Glucopyranoside(実)
【使用例(āmayikaprayoga)】
外用)
・チトラカと乾姜とカーンジーカ(発酵させて酸っぱくなった米の粥)を混ぜて擦ったペーストを痔核に貼ると良い。
・関節リウマチ、関節痛、麻痺に対してチトラカのペーストを湿布として貼ると良いが関節リウマチの場合は腫らす作用があるので15〜20分を超えないようにする。
・チトラカとデーワダールを牛の尿で撞いた温かいペーストは浮腫/炎症(ショータ)に良い
・フィラリア症(シュリーパダ)に対してはチトラカかデーワダールのペーストを貼ると良い
・はちきれそうに膨らんでいる外傷と膿瘍に対してはチラービルワ、バッラータカ、ダンティ、チトラカ、カラヴィーラと鳩・青鷺・ハゲワシの糞を混ぜて作ったペーストを貼ると良い
・堕胎のためにチトラカの根を膣に入れることがある。3から6時間以内に子宮収縮、子宮出血を引き起こすことで堕胎を引き起こす(が、母体の死亡も引き起こすことがある事に注意)。
・疥癬に対してサンダルウッド、ターメリック、ニーム、チトラカの当量混合物で作ったペーストを局所に塗ると良い
内服)
・チトラカの樹皮を入れ物の中でヨーグルトまたはバターミルクと一緒に撞いてペースト状にしたものを内服すると痔疾に良い。
・チトラカの根の粉末と乾姜をカーンジー(発酵させて酸っぱい味にした米粥)または牛の尿またはヤシ糖で毎日飲む事は痔疾に最も良い。
・チトラカの煎じ液は精液尿症に良い
・難治性皮膚病に対してチトラカをターメリックと牛の尿で1ヶ月飲むと良い
・消化力低下、食思不振、消化不良、下痢などに対してチトラカとビダンガ、ムスタ(香附子)を投与すると良い
・消化力低下に対しては茶匙4分の1杯ずつのチトラカとトリカトゥに茶匙半分ずつの蜂蜜とギーを一緒に飲むと良い
・長胡椒と(非加熱)蜂蜜を食べた後でバターミルクと撞いたチトラカを飲むと下痢に良い。
・肝脾腫に対してチトラカのクシャーラ(色々と加工して作った灰から作られたアルカリ液のこと)をバターミルクと一緒に飲むと良い
・過敏性腸症候群と腹部疾患(grahanī, udara roga)に対してはチトラカグルタを1回につき茶匙1杯を1日2回飲ませると良い
・チトラカーディレーハとチトラカハリータキーは咳嗽と鼻炎の最上の薬である。
・肥満に対して健康に良い食事と共にチトラカの根の粉末を(非加熱)蜂蜜と共に摂ると良い
・牛の尿にチトラカの根の粉末、トリカトゥ、蜂蜜を混ぜたものをギーの入れ物に15日間入れておく。このギーを毎日飲むと白斑の部分が減っていく。
・ヤワクシャーラ+アジャモーダ+チトラカ+アーマラキー
または
デーワダール+チトラカ+(非加熱)蜂蜜
と一緒に山羊の乳で作ったギーは嗄声に良い
・貧血に対してバラーとチトラカの根皮の粉末をぬるま湯で飲むと良い
・慢性のカファ性の咳嗽に対して茶匙半分ずつのチトラカと甘草に長胡椒ひとつまみを加えたものを作って茶匙1杯の(非加熱)蜂蜜と一緒に飲むと良い
【処方例・主な適応】
チトラカーディグティカ(Citrakādi guṭika)・過敏性腸症候群、消化力低下、関節リウマチ
チトラカーディヤグルタ(Citrakādya ghṛta)・痔疾、浮腫、肝臓と脾臓の機能異常、慢性下痢
チトラカハリータキー(Citraka harītakī)・咳嗽、鼻炎
チトラカーディクワータ(Citrakādi kvātha)・ワータカファ性下痢
チトラカーディチュールナ(Citrakādi cūrṇa)・関節リウマチ
【注意・禁忌】
過量投与すると喉・胃・全身に灼熱感を引き起こし、嘔吐、下痢、排尿困難、神経衰弱、皮膚のシワと冷感を続発する。
妊婦には禁忌。
【中毒の治療】
ギーや牛乳や白檀のような冷たく油っこくて刺激性のない物質を治療に用いるべきである
【チトラカの修治の仕方】
チトラカの根を石灰水(炭酸カルシウム水溶液)に漬けて煮てから天日干しにする
【1行まとめ】
ディーパナパーチャナと肛門周囲炎症、痔疾腹部疝痛に最上の、あらゆるアグニを燃え立たせる薬
【臨床小話】
わたし自身がピッタ体質なものであまり熱性のチトラカを含む製剤って出されたことがないのですが、上述の1行まとめ前半は、内科学の古典書であるチャラカ・サンヒター総論編25章の「アンタが1番!」シリーズの条文そのままです。
痔って日本ですともっぱら肛門外科とか消化器外科にしか相手にされない感じで、場所が場所だけに恥ずかしがってしまって余程ひどくならない限り、あまり存在を主張されない(?)病気の一つです。
アーユルヴェーダだと悪化したドーシャが皮膚筋肉脂肪組織を汚染して出来るのが痔。としているので、非出血性でピッタ性ではない、ワータ性、カファ性の痔にはこのチトラカの激しい熱性と鋭性が非常によく効くと言われています。