62)マハーバラー(Mahābalā)(冷甘)

☆葉と花

☆種子

☆根

【学名】

Sida rhombilofia

【科】
アオイ科 (Malvaceae)

【同義語・異名】

Arrow-leaved sida(英名)

Common sida(英名)

Cuban jute(英名)

Jerry leaf(英名)

Kṣetrabalā(クシェトラバラー)

Queensland hemp(英名)

Sahadevā(サハデーヴァー)

Śvetapuṣpā(シュウェータプシュパー)

【ガナ/クラ(古典における分類)】
ガナ)

ミシュラカ:balācatuṣṭaya(バラー四種)


【ラサ(味)】


【グナ(性質)】
軽油粘

【ヴィールヤ(効力)】

冷性

【ヴィパーカ(消化後味)】



【ドーシャへの影響】
ワータピッタシャーマカ

【カルマ(作用)】

・ワータドーシャを緩和する(Vātaghna)

・オージャス増加(Ojovardhana)(免疫力亢進)

・体力向上(Balya)

・筋量増加(Bṛṅhaṇa)

・向知性作用(Nāḍībalya)

・知覚回復作用(Vedanāsthāpana)

・解熱作用(Jvaraghna)

・抗浮腫/抗炎症作用(Śothahara)

・アーマ燃焼+消化力亢進+吸湿作用(Grāhī)

・心保護・強心作用(Hṛdya)

・出血性疾患を治す(Raktapittaśāmaka)

・利尿作用(Mūtrala)

・精子形成作用(Śukrala)

・受胎促進・抗催奇形性・安胎作用(Prajāsthāpana)

【適応(ローガグナタ)】
ワータ性疾患(vātavikāra)

神経衰弱(Nāḍībdaurbalya)

過敏性腸症候群(Grahaṇī)

心不全(Hṛddaurbalya)

出血性疾患(Raktapitta)

肺結核/血胸(Uraḥkṣata)

精子尿症(Śukrameha)

過多月経(Pradara)

子宮機能低下(Garbhāśayadaurbalya)

排尿困難(Mūtrakṛcchra)

発熱(Jvara)

(マラリアなどの)間欠熱(Viṣamajvara)

衰弱(Daurbalya)

結核(Kṣayaroga)

悪液質/羸痩(Kṛśatā)

感染創(Vranaśotha)

目の病気(netraroga)

【薬用部位】

種子


【用量・用法】
搾り汁:10-20ml

粉末:3-6g

【注意・禁忌】
特になし

【1行まとめ】

バラーに一番似ているバラー四種の一員


【臨床小話】

マハーバラーがピンで役立つのはフィラリア症(シュリーパダ)とマラリアなどの間欠熱(ビシャマジュワラ)だそうです。さすがにマハーバラーまでくるとわりとマイナーといいますか、マイナー生薬扱いかつ、取り扱っていたのが一番収載数の多いパンディ先生本だけでした。

バラードゥワヤ(Balādvaya)、バラー二種=Balā+Atibalā

バラートラヤ(Balātraya)、バラー三種=Balā+Atibalā+Nāgabalā

バラーチャトゥシュトゥヤ(Balācatuṣṭhya)、バラー四種=Balā+Atibalā+Nāgabalā+Mahābalā

と呼ばれていて、三小古典の一つ・バーバプラカーシュはバラーとはこの四種類であるという立場で性質、用法もバラーと同じであるとしています。

が、細かくみるとラサやグナ、カルマが少しずつ異なります。マハーバラーが一番オリジナルの頭に何も付いてないバラーに似ていますが、性質が重性でなく軽性である点がバラーとは異なります。

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